今日のテーマは「10月10日は缶詰の日」

10月10日は「缶詰の日」

日本初の缶詰工場は北海道
明治政府は産業振興のため西洋文明を積極的に導入しましたが、その中に缶詰の製造もありました。当初東京の試験場に導入する予定だった缶詰製造設備一式を、北海道開拓使の産業として北海道の缶詰工場で使用することになりました。

北海道開拓使は、1877(明治10)年、石狩市に、日本初の缶詰工場、石狩缶詰所を設置し、米国から招いたケプロンの推薦で、技術者と助手を指導者として招き、石狩川で獲れたサケを使って、初めて缶詰の製造を開始しました。この日が、その年の10月10日です。

徐々に缶詰生産が軌道に乗り、この年、15,970缶のサケ缶詰が製造されました。そして、立派なレーベルが貼られて、国内博覧会への出品や、翌年には輸出も試みられています。この当時、缶詰のことを『管詰』と記しています。 kanzume1.jpg
当時のサケ缶詰ラベル(所蔵: 北海道立文書館)

やがて、各地に缶詰工場ができ、さまざまな缶詰が製造され、輸出も行われていきました。「缶詰の日」10月10日は、このような歴史の記録をもとに、1987(昭和62)年に制定されました。

あき缶の再利用
・スチール缶は
(1) くず鉄として使用し、鉄鋼製品に再生。
(2) 銅鉱より銅を回収するために利用する
(3) 窒素を利用した低温破砕法により再利用する。
という三つの方法があります。

・アルミ缶は

さまざまなアルミ製品やアルミ缶の原料になる。

2022年のリサイクル率はスチール缶92.7%、アルミ缶93.9%で、再生資源としての利用 ルートが確立されているのでこのような高いリサイクル率になっています。

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参照: スチール缶リサイクル協会スチール缶リサイクル年次レポート 2023

缶詰、びん詰、レトルト食品の利点

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缶詰、びん詰、レトルト食品は、他の加工食品に比べて、多くの優れた特性をもっています。

○安 全 空気も水も細菌も絶対に入らない容器に密封し、中身も加熱殺菌を施してあります。また、殺菌料、保存料は一切使用されていません。
○栄 養 真空に近い状態で加熱殺菌してあるので、ビタミン、その他の栄養成分の損失もあまりありません。
○経済的 原料産地で多く出回るときに大量に買付けて加工し、しかも、常温で流通され、ロスもないので流通経費は生鮮のものに比べはるかに低いです。また、中身が全部食べられ、調理の手間も少なくてすむので経済的で、かつ省エネルギーになります。
○保存性 完全に密封して加熱殺菌してあるので、貯蔵中に腐敗することなく、長期間の保存ができます。場所、季節を問わず災害時はもちろん、いつでも、どこでも必要に応じ利用できます。

参照: 公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会HP