今日のテーマは「にしん」について
 ニシンは、明治の最盛期には年間100万トン近くの水揚げを誇り、北海道を代表する産業となりました。
 現在、留萌や石狩、後志に残る「鰊(ニシン)御殿や番屋」はその名残です。しかし、それも遙か昔の話。ニシンは1897年(明治30年)をピークに年々その量を減らし、ある時からほとんど姿を消しました。
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 1950年代半ばには「幻の魚」と呼ばれるほどに衰えました。
 1990年代後半からの数年は年間で2000〜3000トンレベルにまで落ち込み、本気で資源の枯渇が心配されましたが、「幻の魚」がいま、北海道で水揚げ量がじりじり増え始め、食卓へ上るようになっています。

ニシンの名前・詳細について
  • ニシン目ニシン科/全長 サハリン系:約29cm、石狩湾系:30cm以上
  • 地方名:東北地方ではカド、カドイワシ、ハナジロ、ハナグロと呼ばれます。

一説では、身欠きニシンを作るときに、身を二つに割いて干したことから「二身(ニシン)」と名付けられたのだとか。また、ニシンは、春になると産卵のために大群で沿岸へ押し寄せてきたことから、別名「春告げ魚」といいます。

ニシンは産卵場所や産卵期、回遊範囲などが異なる多くの系列に分けられ、北海道周辺では主に北海道・サハリン系群と石狩湾系が占めます。
産卵期は北海道・サハリン系群は3月下旬~6月下旬、石狩湾系は1月下旬から5月上旬で、沿岸の海藻に卵を産み付けます。

カズノコ(数の子)はニシンの卵巣(らんそう)です。子孫繁栄(しそんはんえい)の縁起物(えんぎもの)として、正月のおせち料理や結婚式など、お祝いの席には欠かせない食品です。名前の由来として、ニシンを「カド」ともいったことからカドがなまってカズノコになったという説や、一度にたくさんの卵を産むため、「数」の子を当てたという説などがあります。

ニシンの栄養素は、「タンパク質」、「鉄分」、「亜鉛」が多く、特に「脂肪」には高度不飽和脂肪酸が多く、生活習慣病の予防や脳の活性化に有効です。
学校給食の献立には、骨ごと食べられる「フライ」として活用されています。



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