今日のテーマは「土用の丑の日(食文化)」について

今年(2021年)は7月28日(水)です

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土用の丑になに食べる?

土用の丑にウナギを食べる習慣がありますが、全国各地では「うのつくもの」「長いものを食べると丈夫になる」という言い伝えがあり、ウナギに限らず、うどんやそうめん、ドジョウなども食べられていました。また、銭湯では丑湯と称して、ドクダミなどの薬草湯が立てられ、子どもたちは「土用に海に入ると丈夫になる」と海水浴に興じました。

(出展:北海道農政事務所 うけつぎたい伝統食 北海道の食ごよみ)

ウナギの食文化の歴史

日本人が「ウナギ」を食べ始めたのは縄文時代といわれていて、江戸時代には夏バテ防止の食べ物として広く食べられるようになるなど、「ウナギ」は日本の伝統的食文化の一翼を担う重要な食材です。日本では「丑の日」が特別な日で、特に梅雨明けの夏の土用の丑の日は、重要な日とされてきました。昔の人は、季節の変わり目は体調不良になりやすい時期であることを経験的に知っていたので、栄養価の高いウナギを食べて精を付ける習慣ができたのでしょう。実際にウナギは栄養豊富で、特にビタミンA、B群、E、Dなどの栄養価が高い食材です。かば焼きを100グラム食べるだけで成人の一日に必要なビタミンAを摂ることができます。

ウナギはなぜ高価なの?

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日本で売られているウナギは輸入も含めほとんどが養殖です。養殖といっても太平洋沿岸に流れついた天然の稚魚(シラスウナギ)を育て大きくする方法です。なぜこのような育て方をするのでしょう。それは、ウナギはその生態がよくわかっていないため、卵を孵(ふ)化させて一から育てる『完全養殖』が難しいからです。そのため、流れ着いた稚魚の数が少ないと価格が上がります。ウナギの資源は、1970年代から減少を続けており、消費の99%以上を占める養殖ウナギに用いられるシラスウナギの日本国内での漁獲量は、ピーク時には200tを超えていましたが、2019年には3.7tにまで落ち込みました。過去の乱獲が影響して2013年2月には、ニホンウナギが環境省レッドリストに、2014年6月には、IUCN(国際自然保護連合)レッドリストに絶滅危惧種として選定されました。やがてウナギが食べられない時が来るかもしれません。

学校給食用物資取扱商品

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