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令和6年度 第2回全道学校給食用パン品質審査会が開催されました

令和6年度


第2回全道学校給食用


パン品質審査会

主催 北海道教育委員会、(公財)北海道学校給食会

後援 北海道パン・米飯協同組合、札幌アール・ビー・エム協同組合、北海道製粉連絡協議会

 令和6年度第2回全道学校給食用パン品質審査会が3月7日(金)(公財)北海道学校給食会研修室を会場に行われました。


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パン品質審査会は

「学校給食用パンの品質を向上させ、学校給食の充実を図り食育の推進に資するとともに多くの学校給食関係者に公開することにより、パンの品質に係る知識を深める」ことを目的 として、夏季と冬季の年に2回行われています。

審査員(北海道製粉連絡協議会推薦者及び関係製粉会社より派遣者)

・日清製粉株式会社 大橋  淳(審査員長)

・株式会社ニップン 西野  計

・木田製粉株式会社 田中 裕樹

横山製粉株式会社 小野 秀樹

・江別製粉株式会社 松本  愛

上記審査員に加え北海道学校給食研究協議会各部会より5名が参加しました。道内各地の加工委託

工場が作った39工場40検体の学校給食用のパンについて、長時間にわたり丁寧かつ慎重な審査が行われました。

◯審査について

採取したパンは北海道における標準規格パンと標準規格外パンに分け、評点を100点中基準
80点としてパンの外観と内相(触感、香り、味など)を審査します

(詳細は「パンの種類別品質判定のポイント」参照)

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****審査を終えて****

~審査員から~

〇基準パンは全体的にレベルが高く指摘することは少ない。(4名)

角食の焼き色がやや白く感じたが好みの範囲かと思う。焼き色の違いは様々だが、食味に問題がなければ評価に影響していない。ただし、濃すぎて焦げのような味を感じたものは指摘した。焼き色はニーズの変化もあるが、前回よりもある程度そろってきている印象。かなり薄い色のものも、もう少し褐色度合いを濃くすることで北海道全体として近い色になってくるのではないか。

▽季節柄寒さの影響が出ていないか注意して審査したが、おそらく寒さ由来の発酵不足が見受けられるもの一部

あった。各工場の設備の違いがあると思うが、適正な発酵がとれるようになると、より良くなるのではないかと思う。

◇「中種法」「ストレート法」のいずれか、「仕込みの吸水率」を明記してもらうと判定のポイントになるので

ありがたい。

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~参加者から~

・ このような品質審査会が開催されていることについて、学校や調理場の職員などに広く周知したい。
・ 食塩1.5パーセントのものも美味しく感じた。
・ 直接目にしたり、試食したりすることで審査内容と結果を理解できた。

・ 減塩については少しずつでも現場の要望に対応していければと思う。

・ 塩分を減らすと製造が難しくなる。製造ロットを増やす対応だと、加工賃が上がる可能性がある。


パ ン の 種 類 別 品 質 判 定 の ポ イ ン ト

【品質の判定】
 一般に品質の判定は、消費者、メーカー、研究者、専門審査員等、各々の立場によって違う。ここに 掲げる標準はパンの本質を基本として批判、審査する採点の基準を示すものである。

コッペの場合(学校給食パン)
<外観(30点満点)>

・体 積(10)

手に持って軽い感じのものが良い。

・表皮色(10)

パンの表面が全部一様に褐色に焼けた「むら」のないものが良い。

・形均整 (5)

細長い棒状(長さ20㎝)で、勢いよく育った「かたち」が表れているものが良い。

・表皮質 (5)

滑らかな肌を持ち、厚さがどこも均一なものが良い。

<内相(70点満点)>

・す 立(10)

薄い膜の細かい気泡が切り口に均一に表れているのが良い。

・色 相(10)

白いよりもクリーム色で「艶」のあるのが良い。白い「むら」のあるものは良くない。

・触 感(15)

指で押して柔らかい弾力があり、滑らかな感じがするものが良い。ところにより固い感じのする「ふし」のあるものは良くない。

・香  (10)

イーストが発酵して出す特有の香りと、よく焼かれた結果できる芳香を持つものが良い。イースト臭、かび臭、あるいは、すえた臭いを持つものは良くない。

・味  (25)

一般に薄い塩味を感じ、かみしめて良い味の出てくるものが良い。パンの気泡の 膜が舌にとろけるような感じのするものが良い。塩味のききたりないもの、甘みのかかっているもの、あるいは酸味を帯びているものなどは良くない。

食パンの場合
<外観(30点満点)>

・体 積(10)

パンの体積は好みによっていろいろであるが、ある程度までの気孔率を持ったも のを標準とする。

・表皮色 (8)

表皮の色は食欲をそそるような黄金褐色に焼けているものが良い。帯赤褐色は良 くない。また、焼けが均一で焼きむらのないものが良い。艶や照りは好みよっていろいろである。

・形均整 (5)

外見が見る目に気持ちの良い、均整のとれたものが良い。角のとがりあるいは丸 みの付過ぎ、上面が平らなものやこぶができているものなどは良くない。

・焼上均等(3)

焼き上げ均等は、パンのあらゆる面が同じような色艶に焼き上げられていて、見るからにおいしそうに見えるものが良い。白いところや焼きむらのあるものは良くない。

・表皮質 (4)

表皮は薄く破けやすいのが良い。厚いもの、こわいもの、皮のような感じのものは良くない。

<内相(70点満点)>

・す 立(15)

す立は好みによっていろいろである。また、パンの種類によっても異なるので一定の標準を立てられない。しかし、いずれの場合においてもす立は均一であること、そして気泡膜が薄いものでなくてはならない。

・色 相(10)

一般にクリーム色がかった艶のある白いのが良いとされる。白墨のような白さ、あるいはこれと反対に灰色や黒味を帯びたものは良くない。黄味を帯びたものはエンリッチされたものかを考えに入れる。

・触 感(15)

切り口を指先で前面にわたり押した感じで決める。柔らかでビロードのような感じのするものが良い。ねちゃつく感じ、ばらつき、崩れやすいザラつき、押しても元の形に戻らないような弾性を欠いているものなどは良くない。

・香  (10)

小麦の良い香り、かすかな甘みを帯びた快い新鮮な感じの香りを持つものが良い。悪臭を持つものは良くない。

・味  (20)

快い小麦のうま味を感じるものが良い。強い塩味、強い甘味、不快な酸味、苦味等を感じるものは良くない。


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